「FX(外国為替証拠金取引)をはじめたいけど、失敗して借金を背負うことになったらどうしよう」
FXをまだ経験したことのない方のなかには、こんな風に不安に思う方も多いと思います。
今回この記事ではFXにおける破産、こんなキーワードを中心にFXで破産する理由や破産にならないためのポイントなどを詳しく解説していきます。
この記事を読むことでFXをまだ始めたことのない方、または始めてみたもののまだ初心者の方の不安を払拭することができます。
- FXで破産しないためには、計画的な投資が欠かせない!
- FXをしているからといって、必ずしも破産したりする事はない!破産を防ぐためのリスク回避は複数ある!
- 利益を得ても税金のことを視野に入れていなく、破産してしまう人が多い!
目次
FXは破産する人が多いってホント?
FXは破産する人が多いってホントなのでしょうか?
FXによって破産することは、正しい知識と正しい資金管理に基づいて適切なトレードを行っている限りはまず可能性は低いです。
しかし逆に言えば知識がなく、資金管理が不十分なままでトレードに挑戦すれば、経験豊富な世界中のトレーダー達に容赦なくあなたの資金は刈り取られ、破産に追い込まれてしまうケースがあることも事実です。
FXは参加者が持ち寄った限りあるお金を参加者全員で奪い合うゲームであると言えます。
このゲーム、あるいは投資の世界では自分の身を自分で守れないものは勝つことができず、最悪の場合には破産することも起こり得るということはまず覚えておいてください。
FXで破産してしまう理由
ここではFXで破産してしまう理由について解説していきます。
ルールに則った健全な取引、健全なトレードであれば破産してしまうことはまずあり得ません。
トレーダーが破産にまで追い込まれるには、そこには必ず明確に悪い理由が存在します。どういった理由が考えられるのでしょうか。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
- 借金を元手にトレードをしていた
- ロスカットになってしまった
- 資金管理が甘かった
- 税金が払えなかった
- 追証金が払えなかった
借金を元手にトレードをしていた
借金を元手にトレードをする人は、まず最も破産に近い人だと言えるでしょう。
FXはあくまで余剰資金でトライすべきものです。
生活費はもちろん、できれば今後1年間くらいは収入がなくなったとしても生活できるだけの生活防衛資金を蓄えてから始めるべきものです。
借金をしてFXをするなんて、借金をして競馬場に行ったり、パチンコに行ったりするようなものです。
FXはメンタルが非常に物を言う世界です。
トレードの技術云々より以前に、借金をして相場に臨んでいるという心理的負担に負けてしまい、正常なトレードなどできるはずがありません。
借金を元手にトレードをすれば、負けが続いてあっという間に借金の額が膨らみ、返済できる許容範囲をすぐに超えてしまい破産するのも時間の問題でしょう。
ロスカットになってしまった
FXの値動きは通貨ペアにもよりますが概して変動が激しく、短時間で大きな価格の上げ下げを頻繁に起こします。
FXで稼いだお金で生活しているプロであっても、正確に未来の値動きを予測することができるものなどいません。
まして、初心者であればなおさら値動きの予測は難しく、ロスカットになってしまう可能性もあります。
ロスカットになって強制的に持ち玉を損切りされてしまえば、その時点でトレーダーの負けは確定します。
基本的にロスカットになるようなトレードのしかたをする時点で、まだトレードができるほどの習熟度に達していないと言えるのですが、ロスカットになってしまう人は破産に近い人だと言えます。
資金管理が甘かった
FXにおいてメンタルと同等か、もしくはメンタルの次に大事なのが資金管理です。
熟練のトレーダーの中には、FXは資金管理のみで勝てると豪語するものもいます。
資金管理とは簡単に言えば自分のとるべき利益と許容できる損失を月単位、一日単位、さらには毎トレードごとなどに管理する作業であり、FXトレードの根幹になるような仕組みです。
資金管理が不十分なままトレードを始めるのは、食料も服もテントも何も持たずにエベレストのような山に登山に出発するようなものです。
資金管理の甘い人は、破産するリスクを十分に持っていると言えるでしょう。
税金が払えなかった
税金が払えなくて破産するという人も一定数存在します。
FXで勝ったら、その利益には当然税金がかかりますので、利益に対していくら税金がかかるのかを事前に正確に把握しておく必要があります。
せっかくFXで大きく勝ったのに、税金で破産してしまうというのは滑稽な話ですが、残念ながらこういうケースはあります。
勝った利益の分のお金を全部使ってしまい、翌年に収めなければならない税金が手元に残っておらず、破産してしまうというケースです。
税金について正しい知識を持たない人は破産に近い人だと言えます。
追証金が払えなかった
追証金が払えなくて破産するというパターンもあります。
えてしてトレードはいつも順調にいくわけではなく、自分の思惑と逆の方向にチャートが動くことはよくあります。
逆行していく値動きが自分がエントリーしたラインを超えた時点でその持ち玉は含み損となります。
そしてさらに逆行が進みマージンコールというアラートが発動したら、追加で証拠金を支払う必要が発生しますが、これを追証金といいます。
この時に追証金を払えなかった場合はその後、じきにロスカットとなってしまいます。
FXで破産しないための大切なポイント
ここまでFXで破産する理由について見ていきました。
ここからは破産しないための大切なポイントを見ていきましょう。
大切な自分の資産・資金を守り、破産という最悪のリスクを回避するために、FXを始める前にこれらのポイントを完全に理解するようにしましょう。
ひとつずつ詳しく見ていきます。
- 余剰金で投資を行う
- 投資はお金を失うものという気持ちで行う
- 分析など自分のロジックを持って行う
- 損益を記録して管理する
余剰金で投資を行う
余剰金で投資を行うことはまずFXに限らず投資の大前提となります。
FXは稼げる反面、お金を失うリスクも当然あります。
余剰資金がなく、もし負けてしまった時に生活費がないということになれば、借金せざるを得なくなります。
生活防衛資金をとは別に、完全なる余剰資金でトレードすることが大切です。
焦る必要はまったくありません。
相場はいつまでも動き続けます。
トレードに割り振るための余剰資金が十分に貯まるまでは、焦らずにじっくり勉強するための時間にあてましょう。
投資はお金を失うものという気持ちで行う
トレードに臨む時は投資はお金を失うものという気持ちで行うことがコツです。
お金を稼ぎ、お金を増やすためにやっているのに「お金を失うものという気持ちで行うことがコツ」というのは、なんだか禅問答のような表現ですが、投資のなかでもとりわけFXというトレードでは特にこういったマインドが重要になってきます。
現実的に負けて証券口座の残高のお金がなくなってもいいし、トレードに臨むあらゆる場面で「このお金は負けてなくなってもいい」という気持ちで行うことは不思議と勝ちにつながります。
分析など自分のロジックを持って行う
分析や手法など、自分のロジックを持って取引することが大切です。
世の中にはありとあらゆる分析方法、トレードのための手法が存在しますが、そのすべてを網羅する必要はありません。
なぜならすべてを網羅したところで負ける可能性を下げる効果は実証されていないからです。
移動平均線やMACDなどのいくつかのテクニカルの代表的な指標をもとにして、自分なりの投資の判断基準、ルール、資金管理の仕組みを構築することが最低限必須の準備となります。
自分のロジックを確立できていないままトレードをするのは、それは完全にギャンブルと同じで再現性がなく、お金を捨てる行為だと言えます。
損益を記録して管理する
損益を記録して管理する、つまり資金管理はなによりも重視すべきポイントです。
資金管理ができていないトレードは決して成功しません。
資金管理が不十分な時点で一時勝てたとしてもその勝ちは長続きせず、じきに負けがこんで退場し、最悪の場合は破産につながります。
エクセルやスプレッドシートなどに、あるいはノートに手書きでもいいのでトレードごとに損益を記録し、自分がいくら利益をあげる必要があり、いくらまでの損失なら耐えられるのかを明確に数字で表すことが必要不可欠です。
自分の勝率とリスクリワード比を明確にして、損益を管理するようにしましょう。
FXで破産してしまった場合は自己破産できる?
FXで破産しないためのポイントを見ていきました。
では最悪の場合にはそもそもFXの負けによって自己破産はできるのでしょうか?
自己破産では投資やギャンブル、キャバクラ、風俗などでの浪費による借金が免責不許可事由となり、借金をなくすことはできません。
FXもこれに該当するので自己破産できないのではないか、という疑問が生まれて当然です。
結論から言うと、FXが原因での自己破産はできます。
FXは免責不許可事由にはあたりますが、裁判所の裁量によりほとんどの場合免責され、自己破産することができます。
裁判所からすれば返済能力がないものからお金をとることはできないわけですから、免責するしかない、という表現が妥当でしょう。
FXで破産して免責を貰えない場合とは?
ただしFXで破産して免責がもらえない場合もあります。
例えば自己破産の申請をする過去7年以内にすでに破産を経験しているのなら、完全にアウトです。
自己破産はどうしても借金を返せなくて困っている人が暮らしを再建し、健全な社会生活を送るための国の救済措置と言えます。
それなのに短期間で再び自己破産せざるを得ないほどの借金をしているというのは不誠実としか言いようがなく、裁判所としても心証が確実に悪いためです。
その他にも免責をもらえないケースはいくつかありますが、一般にしっかりと反省を示して誠実かつ真摯な態度を認められれば免責不許可になることはほぼありません。
FXで破産してしまった実際の体験談
トレード歴3年半
数年前、スマホで偶然FXのことを知り、一日に数時間の作業で何万円も稼いでいる人を見て、当時生活も苦しかったのではじめてみることにしました。
その時はFXについての知識がほとんどない状態で、なんとか10万円の元手を集めてはじめました。
ドル円で挑戦してみて、その日はエントリーだけ済ませて寝てしまったのですが、10万円が次の日の朝チェックすると12万円に。なんと一晩で寝ている間に2万円も勝っていたのです。
その時はFXって本当にこんなに簡単に稼げるものなんだ、もっと早くFXに出会っていればよかったと思いました。
飛び上がるほど嬉しくて、今度はその12万円をさらに増やすために全力でかけていきましたが…。
そこからは勝ったり負けたりの繰り返しで、だんだんと負けることのほうが多くなり、あれよあれよと言う間に残高のお金がなくなってしまいました。
バカなわたしはそこで一旦やめておけばいいものを、あろうことか消費者金融で借金までしてFXをするようになってしまいました。
どうしても最初に2万円勝ったのが忘れられなかったのです。
そこからは借金がどんどん膨らむ一方で、ついには自己破産するまでに至りました。
このお方のケースはFXで自己破産をする典型的な具体例と言えるでしょう。
生活に苦しい状況でFXをはじめ、知識もほとんどない状態で、おそらく当時の資金管理も十分ではなかったと容易に推測することができます。
次第に完全に負のギャンブル脳に陥っており、最終的には返済できないほどの借金を抱えて自己破産してしまっています。
こうならないために、FXを始める前には用意周到かつ適切な準備が必要なのです。
【まとめ】FXで破産しないために計画的に投資を行おう!
いかがだったでしょうか、今回はFXでの破産についてみていきました。
適切なルールを決め、そのルールに則ったトレードをすることで、破産のリスクは限りなく下げることができます。
FXに対して無用に不安を感じる必要はありませんが、あくまで慎重に、計画的にトレードしなければ、破産してしまう可能性はゼロではありません。
相場は私たちの資産を増やしてくれる時もあれば、時に信じ難いほど激しく動く時があり、甘い考えのトレーダーを片っ端からなぎ倒していくような恐ろしさを併せ持っています。
今回ご紹介した自己破産しないための大切なポイントをよく理解し、整理して、自分なりの方法を確立してからトライすることを強くおすすめします。