最近ネット証券の普及、老後2000万円問題などから投資が一般の人にもより身近になり、話題になっています。
投資を始めるにあたって、株とFXがもっとも始めやすい投資ではありますが、「投資に興味はあるけれど、株とFXのどちらをやればいいのかわからない」
こんな風に思っている方も多いのではないでしょうか。
今回この記事では株とFXの違い、両者それぞれのメリットとデメリットなどを詳しく解説していきます。
そして後半には株がおすすめの人とFXがおすすめの人を解説していきますので、この記事を読むことであなたが株とFXのどちらから始めれば良いのか参考にできるはずです。
- 株とFXは似ているようで、大きな違いがいくつもある!自分にあったのはどちらかを見極めよう!
- 株式投資は、まとまった資金がある方におすすめ!少額から始めたい場合は、FXがおすすめ!
株とFXの違い
まずは株とFXの違いについて解説をしていきます。
株とFXは根本的に異なる性質を持つものですが、そのどちらも証券会社を通じて取引をし、トレードのために用いるチャートなどに共通点が多く、初心者や投資経験のない人にとっては違いがよくわからないものだと思います。
投資対象の違いや取引可能な時間など、ポイントごとに両者の違いを見ていきましょう。
- 投資の対象
- 取引可能な時間
- レバレッジ倍率
- 最低取引資金
- ボラティリティ(値動き)
- 税制
投資の対象
株の場合
株は企業に投資をします。
飲み物であればコカ・コーラであったり、化粧品であれば資生堂であったり、車であればトヨタであったり、携帯電話であればソフトバンクであったりと、自分の日常に身近な会社の株を購入することができます。
日本の株であれば4000社ほどの会社の中から投資先を選ぶことができます。
もちろん5000社ほどの銘柄を選ぶことのできるアメリカやお隣の中国など、海外の企業の株を購入することも可能です。
FXの場合
FXは各国の法定通貨に投資をします。
異なる2つの国の通貨の組み合わせを通貨ペアといい、この通貨ペアごとにチャートをみて取引をします。
通貨ペアには世界中のあらゆる通貨を組み合わせることができ、おおよそ60通貨ペアほどが成り立ちます。
例えばドルと日本円の通貨ペアで取引をするとして、日本円を買えば、日本円の価値が上がれば利益になり、下がれば損失になるといった具合です。
取引可能な時間
株の場合
日本の株を取引する場合は東京証券取引所が開いている時間、つまり午前9時から11時30分、午後12時30分から15時と、午前2時間半と午後2時間半の合計5時間のみに限られます。
日中にお仕事をされているサラリーマンの方などは、相場が動いているリアルタイムにチャートや株価をチェックすることは困難であると言えます。
もちろん中期的、長期的に株を保持して取引するスタイルであれば全く問題はありません。
FXの場合
FXの場合は土日を除く24時間相場が動いており、常にリアルタイムでチャートを見ながら取引することが可能です。
日中お仕事をされているサラリーマンの方でも、仕事を終えて家に帰ってきてからゆっくりと落ち着いてトレードに向き合うことができます。
ただし注意が必要なのは、FXの場合時間帯によって値動きの傾向が大きく変わることがある点です。
これは24時間世界中で取引されているが故のFXの特徴なのですが、昼間の値動きと夜の値動きでは大きく異なってくるため注意が必要です。
レバレッジ倍率
株の場合
株の現物取引はレバレッジがありません。
100万円の株を購入するには100万円が必要になります。
株価×単元株数(最低購入株数)の金額が取引のためには必要です。
信用取引の場合は3.3倍までレバレッジをかけることができますので、100万円あれば330万円までの株を購入することができます。
ただし信用取引を行うには証券会社によって所定の条件がありますので、必ず利用する証券会社の規約を確認してください。
FXの場合
FXでは取引においてレバレッジをかけることができます。
国内ですと25倍までと制限がありますが、海外だと軽く100倍以上、高いところでは888倍などという高いレバレッジをかけられる会社も存在します。
レバレッジをかけられるということはその分自分の手元資金の何倍ものお金を投資で動かすことが可能となるため、元手資金の少ない方でも始めやすい投資であると言えます。
ただしレバレッジ取引は利益も多くなる反面、失敗した時の損失も甚大になるリスクを伴います。
レバレッジをかけるのはしっかりとトレードに習熟してからにしましょう。
最低取引資金
株の場合
株を買う場合は銘柄によって異なりますが、多くの場合は100株単位からでしか購入できません。
例えばIT大手のソフトバンクの株価が仮に1株8000円だとして、単元株数が100株だとします。
単元株数とはその株を購入できる最低の単位のことで、単元株数が100株であればその銘柄は100株から購入できるということです。
つまり株価8000円のソフトバンクの株を購入したければ、単元株数が100なので、最低でも80万円が必要になります。
もちろん株価は会社によって異なりますので、数万円で購入できる株もたくさんありますが、しかしおおむね株の場合はある程度のまとまった資金が必要になってきます。
FXの場合
FXの場合の最低取引資金は証券会社にもよりますが、1000通貨もしくは10000通貨から始められる証券会社が多く、1通貨が約4円なのでおよそ4000円もしくは4万円から取引できる会社が多いです。
さらにFXでは資金が少なくてもレバレッジをかけることができるため、国内では資金の25倍の、海外口座であればそれ以上のお金を動かすことが可能です。
このことからFXは株に比べて取引資金が少なくても十分に取引ができるため、投資のためのまとまった資金がない人でも始めやすい投資だと言えます。
ボラティリティ(値動き)
株の場合
株の場合のボラティリティは銘柄によって大きく異なります。
株を購入時点では規模の小さかった会社が後に急成長したり、あるいは何らかのニュースや革新的な実績などによって人気になったりすれば、株価が1年間で10倍、ときには100倍になるなどということもあり得ます。
その反面会社には当然倒産リスクがあるため、株を購入した会社が突然倒産してしまい、購入した株がただの紙くずになってしまうということも起こり得ます。
FXの場合
FXは年間30%前後の値動きがありますが、これは株に比べるとずいぶん小さな値動きに思えるかもしれません。
しかし想像してみてください。
例えば現在1ドル100円だとして、1年後に100倍の1ドル10000円なんてありえないですし、そんなことになれば世界中の経済が破綻してしまいます。
FXは国家間の法定通貨同士の組み合わせによって取引されるものであるため、株のような極端なボラティリティは出にくい構造になっています。
税制
株の場合
株によって得られる利益は税金では譲渡所得、または配当所得に区分されます。
株式の譲渡には申告分離課税が適用され、所得税が15.315%、住民税が5%で合計20.315%が利益に対してかかる税率となります。
また損失が出た場合にも申告すれば3年間は損失を繰り越すことができますので、損失が出た場合にも必ず確定申告をするようにしましょう。
また、上場株式の損益と未上場の一般株式の損益を損益通算することはできません。
FXの場合
FXで得た利益は雑所得に区分されます。
税率は国内のFX会社を利用して投資していれば株と同じく申告分離課税で、所得税が15.315%、住民税が5%で合計20.315%が利益に対してかかります。
ちなみに海外のFX業者、正確にいうと金融庁に登録していない業者を利用してFXトレードを行い、利益が出た場合は税率が大きく変わるので注意が必要です。
海外のFX業者の場合だと総合課税という税率の計算方法が採用されるため、所得(利益)が上がれば上がるほどそれに応じて税率も高くなります。
FXのメリットとデメリット
ここまで株とFXの違いについて解説してきました。
ここからはFX取引をするうえでのメリットとデメリットについて解説していきます。
FX取引のメリットとデメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
メリット
FXのメリットはまず少ない元手資金で始められることが挙げられます。
株のようにまとまった資金がなくても、10万円、それこそ数万円の元手で始めることができますし、レバレッジをかければ少ない元手でも大きな金額を動かすことができます。
また、FXが基本的に24時間いつでも取引可能な点もメリットの一つです。
日中は仕事でチャートを見られない方でも、夜家に帰ってからゆっくりとトレードを楽しむことができます。
デメリット
FXのデメリットはトレードで利益をあげるためには時間がかかることです。
始めてからすぐはビギナーズラックで稼げても、基本的にはなかなか勝つことが難しく、なんとか勝てるようになってきたとしてもその後継続して安定的に勝ち続けることは非常に難しいです。
FXトレードで利益を出すためには、十分なトレード技術が必要です。
そしてメンタルコントロールや専門的な資金管理の方法を体系的に学ぶ必要があります。
FXは勝てるようになれば大きな資産を築くことができる夢のある投資である反面、勝てるようになるまでの道のりが大変険しい投資なのです。
株のメリットとデメリット
FXのメリットとデメリットについて解説しました。
続いては株のメリットとデメリットを見てみましょう。
株の取引にはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
メリット
株のメリットは大きくふたつあげることができ、ひとつは企業に投資をすることで配当金を得たり、株主優待を受けたりすることができる点です。
チャートやトレード画面に向き合ってあれこれ考える必要もなく、購入して保有しているだけで具体的なメリットを享受することができます。
もうひとつのメリットは、株がインフレリスクに強いという点です。
インフレによって将来に現金の価値がどれほど下がっても、株の価値には無関係です。
会社ですから時には倒産してしまう会社もありますが、基本的には株は持ち続けていればずっとその価格を上げ続けていきます。
たとえば米国株(S&P500)は過去に世界恐慌やITバブル崩壊、リーマン・ショックなど幾度となく大暴落を経験してきましたが、そのたびに這い上がって前の高値を更新してきて、現在でも上がり続けています。
デメリット
株のデメリットとしてはある程度まとまった資金がないとそもそも購入できないことではないでしょうか。
企業にもよりますが、数万円で買える株はそれほど多くありませんし、あっても利益がかなり少なくなります。
また株には会社が倒産してしまうというリスクが必ずあります。
投資をするうえでリスクはつきものですが、例えば2008年に世界中に混乱をもたらしたアメリカ発のリーマン・ショックや、直近で言えば昨今のコロナ禍のような突発的な対外要因によって思わぬ不利益を被ることもあります。
株とFXはどんな人におすすめ?
株とFXはそれぞれどんな人におすすめなのでしょうか?
株がおすすめの人、FXがおすすめの人、または両方ともおすすめの人がいるでしょう。
あなたはどのタイプにあてはまるでしょうか?
- 株式投資がおすすめの人
- 【初心者向け】FXがおすすめの人
株式投資がおすすめの人
株式投資がおすすめの人は、まずはまとまった資金を現在すでにお持ちの人です。
これは前途したように株を購入するためにはある程度の資金力が必要となるからです。
資金がなければ買える株は限られてしまい、自分の望む株を自由に選択して買うことはできません。
そして売買を繰り返してその差益によって利益をあげていくよりも、配当金や優待など株を保有することで得られるインカムゲインを期待する人におすすめです。
また将来のインフレに備える安全資産として株を持ちたい人にもおすすめです。
【初心者向け】FXがおすすめの人
FXがおすすめな人は現在投資に充てることができる資金がそれほど多くない人です。
少額からはじめてもレバレッジによってまとまった利益をあげることは可能です。
また売買を繰り返して、その差益によって得た利益を積み上げていきたいという人にもおすすめです。
FXは基本的にはチャートと向き合いながら、優位性のある局面で適正なアクションをとることで利益をあげる投資です。
誤解を恐れずに言うと、ゲーム感覚でチャートに向き合い、トレードできる人がFXには向いています。
株とFXのおすすめの会社
ここまでFXと株の違いや両者のメリット・デメリットについて解説してきました。
ここからは株とFX、それぞれのおすすめの証券会社をご紹介します。
どちらの会社でも現在お得なキャンペーンを実施中ですので、ぜひチェックしてみてください。
- 【おすすめのFX会社】みんなのFX
- 【おすすめの証券会社】楽天証券
【おすすめのFX会社】みんなのFX
- スプレッド業界最狭水準
- 1,000通貨から取引できる
- 各種手数料が無料
- 高い約定率(99.9%)
みんなのFXはスプレッドが業界でもトップクラスに狭く、取引ごとにかかるコストを安くおさえることができます。
1,000通貨から取引を始められるので、ドル円の場合ですと約4,000円から始めることができます。
取引手数料や口座開設手数料、出金手数料などの各種手数料が無料な点も非常に良心的な会社です。
また約定率が99.9%と高いので、注文の不成立が起こりにくく、いつでもスムーズな取引が期待できます。
最低取引単位 | 1,000通貨 |
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スプレッド | 0.2銭(ドル円) |
通貨ペア | 27種類 |
新規口座開設とお取引で、最大50,000円キャッシュバック
【おすすめの証券会社】楽天証券
- 国内株式手数料は最低0円から
- 楽天ポイントが取引で貯まり、取引で使える
- 無料で使える充実のツール
- 多彩な商品ラインナップ
楽天証券では楽天ポイントなど、いわゆる楽天経済圏のサービスと連携させることで多くの特典やお得なサービスを享受することができます。
国内株式、米国株をはじめとした海外株式、FX取引、先物やオプション取引など取り扱う商品も多彩です。
取引手数料が安いことも楽天証券を選ぶメリットで、国内株式であれば取引手数料0円から投資でき、海外株式などで取引手数料がかかったとしても1〜2%をポイントバックしてくれます。
もちろんそのポイントは再投資に使用することが可能です。
最低取引単位 | 1,000通貨 |
---|---|
スプレッド | 0.2円(ドル円) |
通貨ペア | 26種類 |
- 国内株式の初めての信用取引で楽天ポイント200ポイントプレゼント
- 2021年6月1日〜8月31日にiDeCo口座開設で楽天ポイント200ポイントプレゼント、さらに抽選で600名に書籍プレゼント
- 2021年7月1日〜7月30日に楽天FX口座開設で楽天ポイント200ポイントプレゼント、2021年7月1日〜9月1日までに取引した方の中から抽選で最大10万ポイントプレゼント
株とFX共通の注意点
ここからは株とFXのどちらにも共通する取引をするうえでの注意点について解説します。
投資はリスクを取る行為です。
リスクを取らなければ資産を増やすことはできませんが、正しい知識を持ってリスクをとることが重要です。
- 株とFXの損益通算はできない
- ハイレバレッジに注意する
株とFXの損益通算はできない
前途しましたが、株は譲渡所得でFXは雑所得に区分されるので、それぞれ税金の区分が異なるために損益通算ができません。
例えば年度内に株で100万円の利益を上げたが、FXで100万円損をしたという場合は実際の利益はプラスマイナスゼロですが、税金は株の100万円の譲渡所得に対してかかってくるため納税の義務が生じます。
もちろん株の取引同士、FXの取引同士の損益通算は可能です。
ハイレバレッジに注意する
特にFXの場合に注意が必要ですが、株の信用取引のレバレッジでも注意が必要です。
高いレバレッジをかけること、つまりハイレバレッジは諸刃の剣であり、どうしてもハイリスク・ハイリターンな取引になってしまうことを理解しておく必要があります。
自分の投資手法をしっかりと構築して、自分のリスク許容度を設定したうえで取り組むべきです。
むやみなハイレバレッジ取引は最悪の場合破産のリスクすらあります。
投資とギャンブルを混同しないように注意しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は投資初心者の方のために株とFXの違いについて解説しましたが、ご自分にあった投資は株とFXのどちらだったでしょうか?
どちらからはじめてもいいし、もちろん資金に余裕のある方であれば株とFXを同時にはじめてもいいでしょう。
いずれにしても今の時代は銀行に預金しているだけではお金は増えません。
ましてや将来のインフレのリスクもあるため、もはや預金そのものが安全資産とは呼べないような時代になってきています。
まだ投資をはじめていない方は、株もFXもはじめは勉強が必要ですが、一歩踏み出して自分で自分の資産を作り、守る行動に出てみましょう。
いつか必ず投資の大きな力に気づくときが来るはずです。